gengoro(2143番弟子)流の作り方

私の作り方は、以下のような流れです。

1 準備
2 作成
3 仕上げ
4 選別して送信
5 まとめ

です。

■1 準備
★お題は大事
 お題をしっかり覚えます。作品やフレーズは思いついたりすることがあるので、しっかり覚えておくことは意外に重要です。

★言葉選び、言葉集め
 お題に沿って、使いたい言葉を集めます。単語、熟語、慣用句、フレーズなど、こだわらず使いたいと思ったものを集めます。お題の中で難しめの文字の言葉はしっかり集めます。キーワード集を作っておくと、日頃の作品作りに便利です。

ポイント)
・雅に使う言葉は、読みやすくて、わかりやすい言葉を使うことが重要です。
・自分で言葉を作らない、言いたいことを端折って言わない。相手に伝えることが第一に考える。
・特別キーワードは師匠との心の交流にはよいが、採用は難しい。「イナバウアー」「受付嬢」「織田無道」「ジローラモ」などがそれ。


■2 作成
(※例を挙げる場合、お題は「つ・う・わ」を使用。)
作る雅は、

つ・・・・ う・・・・・・ わ・・・・
(上五)  (中七)    (下五)

のような形をしています。ここでは・・・に言葉を埋めていきます。

★2-A フレーズを作る
 上記の十七文字のうちの一部分に、当てはめられる”フレーズ”を考えます。

上五~中七~下五、上五~中七、中七~下五、それぞれの間で跨るようなフレーズを考えてみます。
できれば、上五、中七、下五をバラバラにせず、隣どおしが自然につながるフレーズを探します。

つ・・・・ う・・・・・・ わ・・・・ 
(上五)  (中七)    (下五)

つ・・・・ う・・・・・・
(上五)  (中七)

う・・・・・・ わ・・・・
(中七)    (下五)

思いつく部分だけでいいので、良さげなフレーズを考えます。読みやすく、聞いてわかりやすい、イメージできるようなものがあるといいです。
例として、「つ・う・わ」で浮かんだフレーズ、”ツッコミが うまい”、”漬物が 美味い”、”ツルピカと 噂”を、雅の形に当てはめて、メモします。

メモ1
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ツッコミは うまい・・・・ わ・・・・
漬物が 美味い・・・・ わ・・・・
ツルピカと 噂・・・・ わ・・・・
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★2-B フレーズをふくらます、調整する
 上で作ったものに、イメージが膨らむように、言葉を足して、少しずつ五七五の形に近づけます。また、できている部分でも、思いつく度、修正を入れます。上の例、メモ1に言葉を足してみます。

メモ2
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ツッコミは うまいかどうか わ・・・・
漬物が 美味い・・・・ わ・・・・
ツルピカと 噂になった わ・・・・
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ここで、完成を急がないことです。言葉を無理やりあてはめて、形にしても、自然な作品にならないと思うからです。アイデアが思いつかなくなったら、ひと休みしましょう。リフレッシュのために、2-Aのフレーズづくりに戻るのもおススメです。

作品は少しずつ言葉が入って、具体的なイメージになっていくと思います。メモ2の例を見ると、下五、最後のブロックを考えるところまで来ているものがあります。下五はオチです。雅のイメージを細かく描き切る部分です。五文字を無駄にしないように考えます。五文字の名詞、修飾語+名詞で終われるのが望ましいと思います。

言葉追加と修正の試行錯誤を繰り返しながら、メモ2の例に、以下のように言葉を埋めました。ここで仮完成です。

メモ3
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ツッコミは うまいかどうか 分かるネタ
漬物が 美味い理由が わからない
ツルピカと 噂になった 若大将
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仮完成まで進める時には、以下のようなことに注意してます。

・五七五の17文字は大事にする。
・音を埋めるだけの、意味のない言葉はできれば使わない。 「とりあえず」「少しだけ」等
・下五の最後は、名詞で終わる(体言止め)がスマート。
・下五は「です」や「だ」で終わるのを避ける。なくてもいい言葉で音を埋めるのはもったいない。
・五七五のリズムを外さないこと。読んでもらう、それを聞いて楽しむモノだということを忘れない。
・字足らず、は厳禁。読むリズムが取れない。必ず文字数を整える。
・字余りは、仕上げ方で問題ない場合もある。読み方(言い方)で次第。
・倒置法は避ける。文字で見る川柳ではないことを忘れない。

仮完成まで来たので、2 作成は、作業完了です。


■3 仕上げ
 作品が形になったら、仕上げをします。作ることに一生懸命で、細かいことに気が付いていないことが多いので重要だと考えます。まず、できたものを客観的に読みます。できれば、自分で声に出すなど、師匠が発音する速度で聞いてみるのが大事だと思います。
ここで気が付いたことを細かく修正します。
(余談ですが、私は自分が口パクで読むと、耳の奥で師匠の声で読み上げてくれるモードがあります。)

上の例を読み返して、仕上げをしてみます。「ツッコミは」より「ツッコミが」にした方がいいように思います。また、「噂になった」は「噂を気にする」の方がよさそうです。

メモ4
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ツッコミが うまいかどうか 分かるネタ
漬物が 美味い理由が わからない
ツルピカの 噂を気にする 若大将
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私は、マスターに任命していただいてから、入念に仕上げをするようになりましたが、作成段階では気が付かなったミスに気付くことも多く、投稿作品のレベルアップには重要だと感じました。


■4 選別して送信
 出来上がった作品のどれを送るかを選別します。私の選別のポイントはこんな感じです。

・近い内容、同じ言葉を使ったものから、一番良さげなもの、面白いと思うものを選ぶ。
・聞いて、嫌な気持ちがしたり、傷つく人がいないか。
・送る作品の内容が偏らないようにする。

 同じ言葉、類似作品は1つに絞って送ります。内容は違って、同じ言葉の場合は、2つまでと自分で決めています。
 嫌な気持ちの雅は、こちらが配慮が足りず、送ったとしても、師匠はまず選ばれません。リスナーの作品とはいえ、声にして発するのは師匠なので、こちらも送る前に配慮したいです。この観点から、メモ4の例の「若大将」の雅は選別から外れることになります。
 内容の偏りというのは、野球ものばかり、相撲ものばかり、とならないように、色々な内容を選ぶように、ということです。

ここまで作ってきた作品は1つが落選となり、以下の2つを送信すると思います。
(実際の「つ・う・わ」とは、別に考えたので、送っていません)
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ツッコミが うまいかどうか 分かるネタ
漬物が 美味い理由が わからない
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★作品の内容について
 私には雅のおもろの基準はわかりません。追いかけても無駄だと思うようになりました。あくまでも私の解釈ですが、選ばれている作品を見ると、おもろは腹を抱えて笑うものだけではなくて、人々の暮らしの中の何気ない情景の中にある可笑しさも、それにあたるのだろうと思います。私達の作品を、師匠が1つ1つ言葉を通して、演じてくれるところまでが雅だと思います。師匠が読んでみたい、演じてやろうと思ってもらうことが、オモロなのかなと感じます。ですから、自分の言いたいことのイメージが、師匠に、聞き手に共有できるように作りたいと思っています。


■5 まとめ
 作った作品も、まとめ切れなかったフレーズも、集めた言葉も、キーワード集も、この先、雅を楽しむための財産になります。採用してもらえたら、採用作品も必ず記録していきましょう。採用作品は自分のオモロと師匠のオモロが一致するところです。自分の得意なオモロで勝負するための指針になります。財産はバックアップを取って、運用しましょう。

■■最後に
 今回、自分の作成法を洗い出してみましたが、複雑で色々な方法で作っていることがわかりました。今回、紹介させて頂いたのはそのうちの一つです。参考にして頂ければ嬉しいです。

 私が雅を始めた二十年以上前、師匠やリスナーの作品を放送で聞くしか、参考にするものはありませんでした。今は、雅を作りたいと思った時、マスター達の雅がTwitterで見られたり、今回の作り方を参考にできます。役立つヒントは何処かにあると思います。今後とも末永く、師匠や皆さんと雅を楽しんでいければと願っています。

(転載許可 2022年9月23日 執筆者承諾済み)